みなさん、こんにちは。
今日は管理者の方向けの情報として、Dynamics CRM 2015 サーバー側
同期でのメールボックスのテストと有効化について情報を提供します。
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Microsoft Dynamics CRM を利用する理由の一つとして、電子メールや予定、
連絡先やタスクを一元管理することで、顧客に対する情報をチームで同時に
確認できる点があげられます。
サーバー側同期を利用する場合、事前にメールボックスのテストと有効化を
実施する必要があります。
この記事ではメールボックスのテストと有効化についての詳細をお伝えします。
メールボックスのテストと有効化が必要な理由
メールボックスのテストと有効化はサーバー側同期を利用する場合にのみ
必要で、Outlook や電子メールルーターで同期を利用する場合には必要が
ありません。
すべての Dynamics CRM ユーザーは既定でメールボックスが作成されますが
サーバー側同期を利用する場合は、「メールボックスのテストと有効化」を
クリックして正しく構成できているか確認する必要があります。
上記ボタンをクリックした際、以下の検証が行われます。
- 電子メールアドレスが有効か
- 電子メールサーバーの接続が機能するか
- 電子メールボックスにアクセスする権限があるか
これらの検証が成功した場合、メールボックスが有効になります。
送信メールでサーバー側同期を利用する場合は、テスト用の電子メールが
送付されます。このテストメールは無効にすることも内容を変更する事も
できません。
テストを実行できるユーザーと場所について
テストと有効化が実行できるのは以下のユーザーです。
- メールボックスの所有者
- システム管理者
- 他ユーザーのメールボックスにアクセス権があるユーザー
自分のメールボックスをテストする場合
1. 画面右上のギアアイコンより「オプション」を選択。
2. 電子メールタブより「メールボックスの表示」リンクをクリック。
3. メールボックスレコードが開くので、「メールボックスのテストと有効化」
ボタンをクリック。
他ユーザーのメールボックスをテストする場合
1. ナビゲーションより設定 | 電子メールアクセス構成 | メールボックスを選択。
2. テストしたいメールボックスを選択して、「メールボックスのテストと
有効化」をクリック。
テストを実施するタイミングについて
以下の場合にメールボックスのテストを有効化が必要です。
- 初回設定時
- 電子メールサーバープロファイルを変更した際
- メールボックスの同期方法をサーバー側同期に変更した際
- 無効だったメールボックスを有効化する際
- 電子メールアドレスを変更した際
尚、電子メールアドレスを変更した場合、システム管理者権限にて電子
メールの承認が必要です。
以下の手順でテストの必要があるかを簡単に確認できます。
1. 設定 | 電子メールアクセスの構成 | メールボックスを開きます。
2. 一覧でサーバー阿川同期を利用する設定になっているにも関わらず
状態が「実行しない」になっている場合はテストが必要です。
テストの結果について
テストの結果を把握することは重要です。テストは 15 分程度完了に
時間がかかる場合があります。
1. テストしたメールボックスレコードを開きます。
2. 「通知」をクリックしてテスト結果を確認します。
もしシステム管理者の場合は、メールボックスの一覧からも確認できます。
テスト前後のステータスについて
テストと有効化の前
メールボックスに変更を行ったがテストと有効化を実行していない場合、状態が
「テストしない」と表示されます。
テストと有効化の最中
テストと有効化の最中は特別なステータスがありません。
テストの完了後
テストが完了した場合、「成功」または「失敗」となります。
トラブルシューティング
Dynamics CRM サーバーの負荷にもよりますが、15 分程度でテストは完了します。
結果が失敗だった場合、またはステータスが変わらない場合は問題が発生しています。
以下の表に、主な原因と対策を示します。
一般的な問題
問題 | 原因 | 対策 |
ステータスが「実行しない」となっていて、テスト完了時間が前回実行時間のままの場合 | 1. 同期方法がサーバー側同期になっていない 2. システム設定の同期方法がサーバ側同期になっていない 3. まだテストが実行中 | 1. サーバー側同期を利用しない場合は期待した動作のため問題なし 2. システム設定を再確認 3. 最低 15 分間待つ |
ステータスが「失敗」となっていて、テスト完了時間が最後にテストを実行した時間 | 多くの船体的な理由が考えられる | メールボックスの通知より詳細を確認 |
ステータスが「失敗」となっていて、通知に以下のエラーが出る場合 関連するユーザーには、Microsoft Dynamics CRM の有効なライセンスがありません。 | ユーザーの権限が読み取り専用となっているか、セキュリティロールが割り当てされていない | ユーザーの設定と権限を確認 |
電子メールアドレスの問題
問題 | 原因 | 対策 |
ステータスが「失敗」となっていて、通知に以下のエラーが出る場合 電子メールの受信中にメールボックス xxx の場所を決定できませんでした。 または メールボックス xxx で指定されている資格情報が正しく、電子メールを送信するためのアクセス許可があることを確認してください。その後、メールボックスで電子メール処理を有効にしてください。 | 電子メールアドレスまたはパスワードが正しくない | 電子メールアドレスおよびパスワードを再確認 |
ステータスが「失敗」となっていて、通知に以下のエラーが出る場合 メールボックス xxx の電子メール アドレスは、Office 365 管理者の承認が必要です。 | 電子メールアドレスが承認されていない | 電子メールアドレスを承認します |
電子メールプロファイルの問題
問題 | 原因 | 対策 |
ステータスが「失敗」となっていて、通知に以下のエラーが出る場合 メールボックス xxx に電子メール サーバー プロファイルが関連付けられていないか、電子メール サーバー プロファイルが非アクティブです | 電子メールサーバープロファイルを選択していません | 電子メールサーバープロファイルをメールボックスに設定する |
ステータスが「失敗」となっていて、通知に以下のエラーが出る場合 メールボックス xxx で予定、取引先担当者、タスクを同期できません。メールボックスの場所を決定できませんでした。 | 1. 誤った電子メールサーバープロファイルを選択している 2. 電子メールサーバーとの接続に問題がある | 1. 正しい電子メールサーバープロファイルを指定する 2. 一定時間後再度試す |
追加のリソース
追加のリソースとして、こちらの記事もご参照ください。
サーバー側の同期によって設定されたメールボックスの電子メール構成をテストする
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Microsoft Dynamics CRM Online は既定で同じテナントの Exchange Online に対して
構成済のため、比較的容易に構成ができます。是非お試しください。
- 中村 憲一郎